地域コミュニティ組織が担う重点機能 > 地域福祉

現状と課題

 地域の中で人と人とのつながりが希薄化し、住民同士のコミュニケーションが不足しています。また、普段から気軽に地域住民が集まり、話し合うなどの交流が減っています。
 一方で、地域に存在する生活課題は、高齢者の日常生活の問題から、障害者と地域住民との関係づくり、子どもの見守り、単身高齢者の社会的孤立、災害時・緊急時の要援護者の対応に至るまで幅広く増加しており、このような広範なニーズに対して、公的なサービスだけでは解決できないのが現状です。
 民生委員・児童委員や福祉委員などによる地域福祉活動は展開されていますが、行政区や近隣住民、事業者等との連携のあり方はさまざまで、委員に過度の負担が掛かっている地域も見られます。
 こうした状況の中で、地域の身近な課題を発見、解決していくためには、特定の人だけに任せるのではなく、地域ぐるみで取り組むことが必要です。支援が必要な状態になっても安心して地域で暮らせる仕組みが求められています。
 さらに、行政や社会福祉協議会をはじめとする関係団体や事業者と連携することにより、有効に支援を進めることができます。
 このように、地域の中で誰もが安心して暮らすためには、地域住民が主体的に、共に支え合う地域づくりを推進していくことが重要です(図表21)。

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平成27年度から介護保険制度が変わります!
 介護保険制度は、これまで公的なサービスと位置付けられてきましたが、法改正により多様な主体によるサービスの提供が可能になります。例えば、支援が必要な高齢者に対して、地域の元気な高齢者やボランティアの方が配食や安否確認などの支援を行うことが可能になります。新しい地域コミュニティで行う活動の選択肢の一つになるでしょう。

地域福祉で期待される取組み例

気軽に集まれる居場所づくり

 一部の行政区では、気軽に集まれる「サロン」が実施されています。また、旧市町区域では生きがいデイサービスが実施されており、それぞれ、みんなが楽しく過ごしています。
 新しい地域コミュニティでも、ミニデイサービスのような気軽に集まれる居場所を作っていくことが望まれます。

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地域支え合いマップづくり

 要支援者と地域資源等を住宅地図に記入することで、支援が必要な人とそれに対する資源のマッチングが視覚的に把握できます。
 マップづくりに当たっては、みんなで意見を出し合い、真に必要な情報を記入していくことが大切です。

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地域で行う移動支援

 「チクタク」は「地区のタクシー」という意味があります。
 バスが走らなくなった地域では、市から車を借り、地域住民がボランティア運転手として登録し、利用者の通院、買い物など外出の支援をします。地域住民で生活課題を解決する組織づくりや仕組みづくりが求められます。

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あいさつ・声掛け運動の実施

 あいさつ・声掛け運動は、大人と子ども・大人同士・子ども同士のコミュニケーションに効果的です。普段からの声掛けや、見守り活動で、安否確認を行うとともに、普段と違う様子やサインを見落とさず、対応できる関係を築きます。

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健康づくりで地域を元気に

 生涯にわたり元気で楽しく豊かに暮らすためには、健康であることが何よりも大切です。健康ポイント制度や歩キング、玄さん元気体操など、地域全体で健康づくりに取り組んでいただくことが、地域のつながりや信頼関係を高めることにもなります。

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