地域コミュニティ組織が担う重点機能 > 人づくり

現状と課題

 地域における社会教育、生涯学習の推進については、各種講座やスポーツ大会、文化祭などを通じて、地区公民館がその中心的な役割を担ってきました。しかし、個人主義化の広がりや価値観の多様化などの社会的背景とあいまって、それらへの関心は年々低下しているといわれています。
 地域における社会教育等の取組みは、地域活動の担い手を確保・育成することに加え、住民間の相互理解を深める役割を担います。このため、現在の住民ニーズに合致した社会教育等の推進が求められています。
 他方、少子化の進行により、子どもの声が聞こえなくなった地域が年々増加する中、地域における子どもを取り巻く環境は大きく変化しています。子どもたちがふるさとの行事や豊かな自然を体験する機会が減少し、地域の未来の担い手である子どもたちに、地域固有の文化や風習をいかに伝えていくかが課題となっています。また、核家族化の進行に伴って子育てに関するニーズが多様化・増大化する中、地域における子育て環境の充実が求められています。
 このため、地域コミュニティを単位として、地域の特性を踏まえた地域の担い手となる人づくりに取り組むことが求められます。
 そして、その活動は、「地域資源(お宝・人材)の活用」「家庭・地域の教育力の向上」を基本として、人権学習の推進や文化・スポーツの振興を通じた「社会教育」と、伝統文化の継承や学校教育の補完等の「次世代育成」を両輪として展開することが期待されます。
 これらの取組みにより、ふるさとに愛着を持ち、地域の魅力を次世代に伝える人づくりを進め、持続可能な地域を実現することが期待されます(図表23)。

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人づくりで期待される取組み例

コミュニティセンターでの生涯学習

 コミュニティセンターという名称に変更後も、これまで地区公民館で行われていた活動は継続されます。文化教養講座や生きがいづくり事業、運動会やグラウンドゴルフ大会などのイベントは地域の主体性により実施します。

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人権学習の推進

 「豊岡市いのちへの共感に満ちたまちづくり条例」に「一人一人を尊重するまちづくりを進める」とあります。地域で差別や人権侵害をなくし、互いの違いを認め合って生涯を通じて健やかに暮らすことができるまちになるよう、地域ぐるみで人権教育や啓発を進めていきます。

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地域の人材発掘・お宝探し

 新しい地域コミュニティは、多くの地域住民の参加で成り立ちます。地域の中には経理が得意な人、絵が上手な人、自然に詳しい人などさまざまな人がいます。また、辺りを見渡すと、地域にはたくさんの誇れるものがあります。これが地域の大きな力と財産になります。

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青少年健全育成やスポーツクラブ等に関する取組み

 子どもを育てるのは学校と家庭だけではなく、地域の祭りや行事などを通じてその一端を担っています。小学校区ごとに「青少年健全育成推進会議」等の活動やラジオ体操顔見知り運動、スポーツクラブ活動など、地域の大人と子どもたちが触れ合う活動を進め、地域で子どもを育てる取組みを行います。

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地域における子育て支援事業

 子育て中の親や家族が、地域で気軽に集い子育ての楽しみや悩みを共有し、安心して子育てができる環境をつくることで「住みたい地域」「住みやすい地域」にします。

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